「家族葬」とは
ここ近年の葬儀の現場において、非常に多く希望されているのが「家族葬」です。
既に仕事を引退されて何年も経過している高齢者の場合、生前相談として葬儀社に見積もりを依頼される人のほとんどが家族葬に興味を示すと言ってもよいほどです。
また、生前芸能界など華やかな場で活躍した方も、葬儀は家族葬にすると言う方も多くいます。
「家族葬」という言葉が有名になる一方で、単なる小規模な葬儀と家族葬はどこが違うのかということについてはあまり知られていないという印象があります。
実際、家族葬とはどんな葬儀なのかを見ていきたいと思います。
「家族葬」という言葉
まず「家族葬」という言葉から説明をすると、この言葉が使われるようになったのは2000年以降からのことです。
普通の「家族葬」と言われる葬儀では参列者は非常に少なく、せいぜい数十人くらいが通常で、場合によっては10人以下ということもあります。
「家族葬」が増えた理由
家族葬が希望されるようになった要因の一つに死亡年齢の高齢化が挙げられます。
1950年時点では、死亡者全体のうち80歳以上の人が占める割合は7.4%に過ぎなかったのですが、2008年には53.8%にまで増加しています。
80歳以上まで生きるということは一見長生きができて幸せなようですが、既に社会とのつながりが切れて数十年が経過してしまっており、さらに身内や友人のほとんどが先立ってしまっていることになるため、一般的な葬儀をしようとしても弔問客は非常に少なくなるのです。
そこで無理に親しくもない近所や知り合いの人を義理で呼ぶくらいなら、故人のことを知っている家族のみで葬儀をしようというのが「家族葬」の発想です。
「家族葬」ってどう行うの
現在葬儀社やセレモニーホールで提示されている「家族葬プラン」にはいくつかの段階があり、「10名以下」「20名以下」「30名以下」「30名以上」のいずれかから選べるようになっています。
「30名以上」になるともはや一般的な葬儀と何も変わらないようになりますが、人数よりも式のコンセプトが家族よりになるというところに特徴があります。
参照≫家族葬とはどういう葬儀?どこまで呼ぶ?費用や注意点とは?|葬儀・お葬式なら【公益社】
人数によって呼ぶ範囲が異なる
もっとも小規模な家族葬の場合、参列を呼びかける範囲は故人の子供や孫などが中心となります。
子供や孫、場合によっては喪主となる子供の配偶者の両親などまでが参列することもありますが、基本的には直系卑属の者のみの葬儀です。
もう少し参列者の範囲を広げたいという場合には、故人の子供や孫といった直系卑属に加え、故人の兄弟姉妹とその配偶者までが含まれることになります。
簡単に言うと血縁関係者とその配偶者までが含まれることになり、その場合同年代の友人で親しい人がいれば数人参列を呼びかけます。
範囲を30名程度にまで広げるときには、さらに広く故人の直系卑属と兄弟姉妹、さらにその配偶者と子供、そこに故人のいとこなども含まれるでしょう。