海洋葬とは

散骨・海洋葬の種類、費用について

2018年7月に死刑執行された麻原彰晃元死刑囚について、その死後の埋葬方法として四女代理人が「散骨したい」と伝えたことがニュースになりました。

散骨をすることにより教祖の遺骨を使った新たな宗教にさせないことを目的としたことのようですが、埋葬方法の一つとして当然に「散骨したい」と言い出したところに、日本においても散骨という方法がかなり一般化してきたことを感じさせます。

日本の伝統的な埋葬方法としては、火葬後の遺骨を先祖代々の墓に収めるということが取られて来ました。
しかし、地元を離れ親類とも疎遠になっている人にとってはそれほど「一家の墓」にこだわる理由がなくなってしまいます。

お墓は維持をするために霊園や寺院に定期的に利用費を支払わなければならず、またその清掃などの管理を子孫が受け持つことになります。
そこでそうした負担を軽減するためにあえてお墓に入らない「散骨」という方法が広く希望されるようになってきたのです。
散骨にもいくつか種類があり、森林にまく「樹木葬」の他、海に流す「海洋葬」、その他川や草原などいくつかの場所を指定してそこに遺骨を置いてくるという方法が取られています。

現在散骨という方法については法的にグレーな部分が多く、きちんとした法律がないままに違法にならない程度に業者が行っているというのが実情です。
散骨が日本で行われるようになったのは1990年台のことでしたが、最初の頃は遺族が勝手に全国の土地に散骨をするケースも多く、私有地の中に全くの他人の骨が放置されるというようなことが事件にもなりました。
散骨を希望する場合は勝手な判断で行うのではなく、きちんと専門業者を通さなければいけません。

現在業者が行っている散骨には「個別散骨」「合同散骨」「委託散骨」というものがあります。
これは個人で散骨に行くか業者に任せるかという違いによるもので、最も安いもので数万円~、個別に船をチャーターするような場合は数十万円がかかります。

自宅に散骨してもあとからトラブルになることも

勝手に他の人の土地に散骨をすると違法になるなら自分の所有する敷地にしようとばかりに、自宅の庭などに散骨をする人もいます。
ですがその土地が自己所有のうちはよいのですが、将来的に他の人に売却をしたときに大きな問題になってしまうことがあります。

注意をしたいのが火葬場で受け取ったお骨というのはまだ骨の形が残っているので、散骨前にはきちんと原型を留めないパウダー状にするということです。
骨の形が残っているとあとから事件性が問題になることもありますし、何よりもその土地に入る人の心理面に大きな影響を与えます。

散骨を全面的に禁止している市区町村もあるので、それぞれの地域の規則に従ってください。