故人と最も縁の深い人が就任するのが一般的
喪主とは、遺族の代表者としてその葬儀全体を仕切ります。
昔は喪主というのはその地域コミュニティにおいて故人の後継者になる人ということを告知する意味で就任していましたが、現在においてはそうした縛りは特にありません。
一般的には配偶者がいる人が亡くなった場合はその妻や夫が、親が亡くなった場合には子供の中の誰かが選ばれることが多くなっています。
喪主は故人の死亡が確認され、葬儀をすることを家族で決める場合に最初に決めることとなっており、その後必要になってくる葬儀の手続きで最終的な決定をしていく役割を担います。
なお喪主は必ずしも同居の家族がならなければいけないという事はなく、両親が亡くなってしまった場合に子供が全て女系で別の家に嫁いでいる場合などは、籍は異なるものの喪主となることがあります。
また直系血族や兄弟姉妹がいない人が亡くなった場合には、故人との関係性を考慮しつつ親類の誰かが就任しても問題ありません。
天涯孤独の人や周りに血族がいないという人の場合には、親しい間柄であって友人などが代わりに行うこともできます。
ただしこの場合は「喪主」ではなく「友人代表」や「世話人代表」といった名称を使用するのが一般的です。
気をつけたいのが葬儀のときに喪主になった人は、その後の法要などの仏事においても同様に中心的な役割をすることになるということです。
法要は一周忌、三周忌、七周忌と長く続いていきますので、そういったところも喪主選びで気をつけておきたいポイントになります。
小さな子供や高齢の配偶者が喪主になった場合
喪主はその葬儀の中心となるものですが、必ずしも事務作業の全ての責任を負わなければいけないというわけではありません。
というのも喪主の仕事は非常に多岐に渡り、また多くの人の接待をしなくてはいけなくなるので、一人だけで行うのは難しいからです。
そこで喪主とは別に「施主」という実質的な手続きの責任者を定めることが多く、家族と役割分担をしながら葬儀の準備をしていきます。
故人に近い立場の人がなるのが「喪主」ですが、大切な家族を亡くしたばかりということもあり、作業を冷静に素早くこなしていくのは難しいことがよくあります。
また高齢の配偶者を亡くしたという妻や夫の場合や、事故などによって両親を亡くした幼い子供などが喪主となるような場合も、実質的には親類の誰かが手続きを代行することとなります。
「施主」の他にも「世話役」という血縁関係にない親しい間柄の人が付くこともよくあります。
世話役が何人もいる場合は「世話役代表」として、豊富な社会経験をもとに葬儀の段取りを決めるためのアドバイスをしていきます。