意外と難しい「袱紗」の使いこなし
香典などの不祝儀袋を持ち込む時には、「袱紗(ふくさ)」という専用の袋を用いるのがマナーとなっています。
袱紗は風呂敷タイプと袋タイプがあり、場面によって使い分けをしていくことになります。
なお袱紗は不祝儀袋だけでなく、結婚式などのおめでたい席で祝儀袋を包む時にも使用するのがマナーとなっています。
ただし祝儀袋と不祝儀袋の袱紗は併用してよいわけではなく、専用のものを使用するのが望ましいです。
風呂敷タイプの場合は併用することができますが、慶事と弔事とで包み方を逆にするのがマナーなので、きちんと使い方を勉強して間違いなく持ち込むようにしましょう。
袋タイプの袱紗であれば、慶事用と弔事用で最初から失礼がないようにデザインや向きが作られています。
一般的な袱紗は紫色をしており、これは慶事・弔事どちらにも見られる色です。
慶事用の袱紗は華美な装飾をしているものが多いので、間違っても葬儀に参列するときに持ち込んではいけません。
なぜ袱紗を用いるかというと、まず大切な金包をできるだけきれいな形で相手に渡せるようにするという気遣いです。
渡す時に封筒にシワや折れがついていたり、水引きが曲がっていたりすると相手に失礼になりますので、型崩れを防ぐためにしっかりした袱紗を使用するのがおすすめになります。
一般的な袱紗はポケット型をしており、中に入れたあと外にこぼれないように止め爪がついているものが多く見られます。
進化する袱紗製品
風呂敷を用いてもよいとされる袱紗ですが、最近ではより丁寧に型くずれを防ぐことができるように便利な設計をしたものが登場しています。
まずソフトタイプの袱紗として、紐で縛って止めるタイプのものです。
こちらは開いた時に正方形になる布の内側についているポケットに不祝儀袋を入れ、それを外側から紐で一周させて止めます。
非常にデザイン性が高く確実に包めることから、男性用にも女性用にも大変人気になっています。
色もバリエーションが多く、風呂敷メーカーから出されている本格高級品もあります。
他にも袱紗のポケットの中にクリアファイルのようなビニールポケットが二重につけられているものや、2つの袋を同時に収納できるダブルポケットタイプなども、あるので新製品を探してみることをおすすめします。
実際の現場においては受付の前に行ってから袱紗ごと不祝儀袋を取り出し、袱紗の上に袋を乗せた状態で両手を使って手渡します。
風呂敷の場合などは下に敷くのは難しいので、台がついた丈夫な袱紗を選んでおくと素早く丁寧に相手に渡すことができます。
このとき表に書いてある文字が相手から見えやすい方向にし、相手の顔を見ながら渡すようにします。